ロサンゼルス・レイカーズは、センターのジャクソン・ヘイズと1年契約を再締結しました。これにより、彼は3年連続でレイカーズと1年契約を結んだことになり、NBAの労使協定(CBA)に基づき、非常に珍しい“無トレード条項”が自動的に適用されることとなりました。
🧾 なぜ“完全ノートレード条項”が適用されるのか?
これは選手個別の特権ではなく、3年連続で同一チームと1年契約を結んだ選手にCBAが定める「de facto no-trade clause(事実上の無トレード条項)」が発動するという規定に基づくものです。
ヘイズはこの条件を満たしたため、今後トレードされるには本人の明確な同意が必要になります。これはバード権(後述)とも関連しており、トレードされるとその権利が失われるため、選手には拒否権が付与されるという構図です。
📊 ヘイズの2024-25シーズン成績とロスターへの影響
- 出場:56試合(うち35試合で先発)
- 平均:6.8得点、4.8リバウンド
- AD離脱後の32試合では:8.1得点、5.5リバウンド、1.0ブロック(平均21.9分出場)
後半戦ではアンソニー・デイビスの負傷によりスターターに昇格し、堅実な活躍を見せました。プレーオフでは出場機会が減少したものの、ルカドンチッチとの相性もよく、新加入のディアンドレ・エイトンとタイプが異なるため、今季もローテーション入りが予想されます。
🧩 レイカーズのフロントコート整理と補強戦略
エイトンの獲得とヘイズの再契約により、混乱していたフロントコート陣が整理されつつあります。この動きは、レイカーズがベテランセンター、アル・ホーフォードの獲得レースから撤退する兆候とも受け取られています。
🔥 デイミアン・リラード、アキレス腱断裂から“静かなFA”へ
ミルウォーキー・バックスは、34歳のデイミアン・リラードをウェイブ(契約解除)し、その契約を“ストレッチ条項”により分割払いで処理しました。これは、マイルズ・ターナーとの契約資金(4年1億700万ドル)を捻出するための苦渋の選択でした。
💥「無謀」とされた決断とその代償
あるNBA幹部は「今後2年間でバックスは“何をしてしまったんだ?”と嘆くだろう」とコメント。リラードの契約をストレッチしても、その分のサラリーは帳簿に残り続けるため、年間約5000万ドル規模の支出を要するリスクを伴います。
⚠️ リラードの怪我と復帰時期
- 負傷:アキレス腱断裂(プレーオフ第4戦)
- 手術:成功済み
- 復帰:早くとも2026-27シーズン見込み
今後12〜18ヶ月はリハビリに専念する見通しで、今季中に契約を結ぶ予定はないと報じられています。
🗣️ リラードの発言と今後の可能性
リラードは報道陣に対し、「自分を獲得するのは“リスク”ではなく“ジャックポット”だ」と自信を覗かせました。現時点では獲得に動いているチームは不明ですが、復帰後の移籍市場では注目株となるでしょう。
🤔 ヤニス・アデトクンボの反応
記者クリス・ヘインズ氏によると、バックスのエースであるアデトクンボはリラード放出に不満を示していたとのこと。一方で、ターナーとの共闘には前向きとされ、球団との信頼関係は維持されている模様です。
🧠 解説:バード権と無トレード条項の関係とは?
NBAにおけるバード権とは、選手が同じチームに3年以上在籍することで獲得できる特権であり、サラリーキャップを超えてでも再契約が可能になる制度です。
📘 バード権の基礎知識
- 正式名称:ラリー・バード例外
- 導入年:1984年(セルティックスがラリー・バードと再契約するため)
- 条件:3年連続で同一チームに在籍(FA移籍はNG)
- メリット:キャップを超えて再契約OK、5年契約・最大8%昇給が可能
📌 ジャクソン・ヘイズの場合
ヘイズは3年連続で1年契約をレイカーズと結んでおり、バード権を獲得済み。この状態でトレードされると権利が失われてしまうため、NBAは選手保護の観点から「トレード拒否権(無トレード条項)」を付与する形になっています。
🔚 まとめ:静かに進むCBAの影響と注目選手の再編
ジャクソン・ヘイズのようなローテーションプレイヤーにも、CBAの細かな条項が大きく関わるようになった今、選手契約に関する理解はますます重要となっています。
そして、リラード放出というバックスの思い切った決断は、ヤニス・アデトクンボ体制を維持する上での賭けでもあります。新たなシーズンに向けて、選手の契約構造・動向を読み解くことで、NBAのチーム戦略が見えてきます。
👉 あなたはこの契約、どう評価しますか?