2025年のNBAオフシーズンは、FA市場解禁(6月30日)を目前に控え、すでに各チームが積極的な動きを見せています。中でも、ドリュー・ホリデーのポートランド・トレイルブレイザーズへの電撃移籍は、戦力・財政面ともに大きな意味を持つトレードとして注目を集めています。
📌 ドリュー・ホリデーのブレイザーズ移籍(6月23日)
ボストン・セルティックスは、ガードのドリュー・ホリデーをトレイルブレイザーズへ放出し、見返りにアンファニー・サイモンズと2つの将来の2巡目指名権を獲得しました。
▶ セルティックスの狙い:財政と再編成の両立
ホリデーをトレードした背景には、4,000万ドル規模のラグジュアリータックス削減という大きな財政的メリットがあります。NBAは「セカンドエプロン」と呼ばれる厳しいサラリーキャップ上限の導入により、高額チームに対する制限が年々強化されています。
また、チームの柱であるジェイソン・テイタムがアキレス腱の負傷で長期離脱すると報じられており、フルロスターでの優勝争いは難しいシーズンになる可能性があります。このため、戦力の若返りや資産の再構築に舵を切ったと考えられます。
▶ ブレイザーズの戦略:若手×ベテランの融合
一方、ポートランド・トレイルブレイザーズは、若手中心の再建期にありながら、あえて35歳のベテランであるホリデーを迎え入れました。これは単なる“ロスター補強”ではなく、明確な意図があります。
- 若手(スクート・ヘンダーソン、シェイドン・シャープ、ドノバン・クリンガンなど)への“勝つ文化”の伝授
- ホリデーのリーダーシップと守備力で即時競争力を高める狙い
- トレード価値の維持も視野に(将来的に再トレードも可能)
ホリデーは2024年にセルティックスで優勝を経験し、守備的貢献・自己犠牲の姿勢で高く評価されています。2024-25シーズンの成績は平均11.1得点、4.3リバウンド、3.9アシストと、スタッツ以上に“勝てるガード”としての価値があります。
▶ 契約状況と今後
ホリデーの契約は、残り3年・総額約1億3400万ドル(2027年に3720万ドルのプレイヤーオプション)という規模。ブレイザーズはこの大型契約を受け入れたうえで、若手とのバランスをどう取るかが今後の課題です。
📋 契約満了を迎える注目選手一覧(2025年オフ)
ホリデーの移籍以外にも、両チームでは今後の編成に影響を及ぼす“契約満了選手”が複数存在しています。以下にリストアップしました。
🔴 ボストン・セルティックス
- デリック・ホワイト(UFA)— 攻守両面で信頼されるガード。再契約か放出か注目。
- ルーク・コーネット(UFA)— センターの控え要員として存在感。
- サム・ハウザー(チームオプション)— 3Pシューターとしての成長がカギ。
🟠 ポートランド・トレイルブレイザーズ
- マルコム・ブログドン(UFA)— ベテランガード。放出濃厚との見方も。
- ジャバリ・ウォーカー(チームオプション)— 伸びしろあるウィング。
- モーゼス・ブラウン(非保証契約)— サイズを活かしたリムプロテクター。
🔮 今後の焦点:再建か勝負か、それぞれの選択
今回のトレードと契約情報から読み取れるのは、セルティックスは財政再建とロスター調整の両立を目指している一方で、ブレイザーズは若手育成と同時にプレーオフ進出も狙っているという「異なる方向性」です。
6月30日からのFA市場解禁を皮切りに、さらに多くの動きが報じられる見込みです。各チームの戦略を見極めながら、今後のNBAオフシーズンの展開に注目していきましょう。