NBA契約制度ガイド|ルーキー契約・ツーウェイ契約・Exhibit 10契約とは?
NBAでは若手選手や海外挑戦組が結ぶ契約にさまざまな種類が存在します。本記事では、ルーキースケール契約、ツーウェイ契約、Exhibit 10契約などについて、NBA公式資料に基づいてわかりやすく解説します。
目次
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NBAで新人選手が最初に結ぶ契約、それが「ルーキースケール契約」です。これは1巡目指名(1位〜30位)の選手に適用される、あらかじめ契約内容と金額が定められた制度です。ここでは仕組みや背景、現代NBAでの価値までを解説します。
対象選手
- 1巡目指名:スケール契約の対象
- 2巡目指名:対象外。多くは短期契約や2WAY契約
契約期間(2+2の構造)
- 最初の2年:完全保証
- 後半2年:チームオプション(継続判断はチーム)
契約金額の決まり方
契約額は指名順位ごとに決まっており、80%〜120%の範囲で交渉可能。実際には多くのケースで上限120%が適用されます。
- ドラフト1位:基準額10,474,200ドル → 最大額12,569,040ドル
- 八村塁(1巡目9位):初年度 約447万ドル
※金額は毎年サラリーキャップに連動して変動し、同じ順位でも40万ドルほどの差が出る場合があります。
制度の背景(なぜ導入された?)
- 指名順位と年俸が逆転する「逆転現象」
- 新人がMVP級の選手と同等のサラリーを得る問題(例:グレン・ロビンソン)
こうした問題を解消するため、1995年に導入されました。
現代における戦略的価値
近年のNBAでは、ルーキー契約の選手は「安くて使える」貴重な戦力。
- 例:ジェイレン・ウィリアムズ(OKC)→ 年俸470万ドルでオールNBA選出
ツーウェイ契約とは?
NBAとGリーグを行き来できる若手選手向けの契約。
- 対象:NBA在籍4年未満
- 各チーム最大3名
- 年俸:NBA最低額の50%(約57万ドル)
- 出場:レギュラーシーズン50試合まで
渡邊雄太選手もこの契約からNBAでキャリアを切り拓きました。
Exhibit 10契約とは?
プレシーズン中に使われる短期試用契約。Gリーグ移行+60日間在籍でボーナス(最大7万7500ドル)支給の可能性も。
テンデイ契約とは?
10日間限定のNBA契約。シーズン中の緊急補強や短期評価に用いられます。
Gリーグ契約とは?
NBAとは直接契約せず、Gリーグチームと契約。NBA復帰や初昇格の足がかりとして利用されます。
日本人選手とNBA契約の関係(筆者の見解)
2025年NBAサマーリーグに挑戦する日本人選手(河村勇輝・富永啓生・馬場雄大)も、以下のような契約形態のいずれかを目指すと考えられます。
- Exhibit 10契約:Gリーグを含めた契約の足がかり
- ツーウェイ契約:実力次第でNBA出場の可能性
- テンデイ契約:シーズン中の緊急契約枠
- Gリーグ契約:NBA昇格への長期ルート
現実的にはまずExhibit 10契約やツーウェイ契約が第一歩。筆者としても、渡邊雄太選手に続く存在として大きな期待を寄せています。
NBAのロスター人数ルール
- レギュラーシーズン:標準契約14〜15名、ツーウェイ契約最大3名
- トレーニングキャンプ:最大21名
- 試合最低出場人数:レギュラーシーズン8名/プレーオフ9名
まとめ
NBAの契約制度は非常に複雑ですが、若手選手や海外出身選手にとっては重要なキャリアの分岐点となります。今後も日本人選手たちがこうした契約を経て、NBAで活躍する姿を期待したいですね。