2025年のNBAオフシーズン。多くのチームが動きを見せる中で、特に注目を集めているのがミルウォーキー・バックスの再建と戦力再構築です。
ヤニス・アデトクンボを中心とした優勝戦略か、それとも抜本的な再建か、チームの選択がリーグ全体に影響を与える可能性があります。
🦌バックスの成績と財政的現実
2021年の優勝以降、3年連続でプレーオフ1回戦敗退。
これまでの4年間で9億4000万ドルを超える投資(サラリー+贅沢税)をしてきたにもかかわらず、プレーオフシリーズの勝利数は「1」。
さらに2024-25シーズンのチーム給与の79%がヤニス、リラード、クーズマの3選手に集中しており、財政面の柔軟性は非常に限られています。
💪ヤニスの圧倒的パフォーマンス
- 平均30.4得点(リーグ2位)
- 11.9リバウンド(6位)、6.5アシスト(13位)
- FG成功率60.1%(6位)
- 7年連続オールNBAファーストチーム選出
- NBA史上初、2年連続「30点超&FG成功率60%以上」
これほどの数字を叩き出すフランチャイズスターの放出は非現実的ですが、チームがヤニスに見合う補強をできなければ、来季以降の去就にも影響が出る可能性があります。
📋今オフシーズンの契約・再契約動向
✅ 残留決定選手
- パット・カナトン:2025-26のプレイヤーオプション(約920万ドル)を行使し残留 → バックスにとっては安定要員かつ、トレード資産にもなり得る存在。
❗オプション・再契約未確定選手
- ボビー・ポーティス:プレイヤーオプション(約1344万ドル)保留中
- ケヴィン・ポーターJr.:オプションを行使せずFAへ
🔍 未保証契約(保証判断待ち)
- A.J.グリーン
- クリス・リビングストン
- アンドレ・ジャクソンJr.
- タイラー・スミス
※7月中旬までにチームが保証判断を下す必要あり。
🔁 再契約交渉中の重要選手
- ジェリコ・シムズ:好守備が評価され、再契約の可能性大
- ゲイリー・トレントJr.:来季は年平均3000万ドル規模の契約が予想される即戦力
- ブルック・ロペス:37歳ながら再契約濃厚、バード権あり
🔄バックスのトレード戦略(報道ベース)
以下はESPNやHoopsHype等が報じたバックスの補強案:
【案1】クーズマ放出 → マジック&ブルズと3チームトレード
- 獲得:ウェンデル・カーターJr.、アヨ・ドスンム、ジェット・ハワード
- 譲渡:クーズマ、複数の指名権・スワップ権
【案2】クーズマ→ネッツ
- 獲得:キャメロン・ジョンソン
- 譲渡:クーズマ+2031・2032年の1巡目指名権など
【案3】リラード&カナトン→サンズ
- 獲得:ブラッドリー・ビール、ロイス・オニール、2025年1巡目29位指名権
- 譲渡:リラード、カナトン
🧭 今後の戦略オプション
戦略 | メリット | リスク |
---|---|---|
ヤニス中心に再構築 | 短期的な競争力維持 | 年齢・怪我・財政圧迫 |
抜本的再建(トレード含む) | 若手&指名権を多数確保できる | ヤニス放出の批判 |
中間戦略(若干の補強) | 継続性と柔軟性の両立 | 中途半端で成果出にくい |
📝まとめ:ヤニスの「レガシー」を守るのは誰か?
2025年オフ、ミルウォーキー・バックスの選択は難しい状況にあります。
現時点ではリラードの怪我、補強したクズマの起用方法、チームサラリーの状況など、優勝を狙える状況下ではなく、ヤニス・アデトクンボの全盛期を最大化するために、今こそフロントの決断力が問われています。
パット・カナトンの残留により1つの安定要素は加わりましたが、それだけでは足りません。
トレード、再契約、FA補強、若手起用——あらゆる選択肢を天秤にかけ、ヤニスの“次の頂点”へ向けた道筋を描けるかが問われています。